『書評』
この本を読むまで、NIKEとはクールなブランドで作った人もスマートなんだろうと思っていたが全然違った。とてつもなく泥臭くて人間味に溢れた人物だった。プロのスポーツ選手になりたかったがなれなかった自身の境遇から勝手に共感を覚える事が多かった。
今まで他の成功者の本を読んでいて、自分との違いを探すことによって安心材料をさがしたり、その人物と自分の今の年齢を比べる事によってまだ時間が有ると思うこともあったがこの本を読んでその意識に気づいた。
登場人物の中ではジョンソンが好きだ。何でも一生懸命でナイトに情熱を空回りして伝わっていたが彼がいたからNIKEが有るのだと思う。
また、日本人として、オニツカのフジモトさんや、日商岩井のイトーさんには誇らしさを感じた。日本の過去のビジネスで彼らの様な人たちがいた事は同じ日本人として誇らしかった。また、海外の人から見た日本人の描かれ方を見て今まで必要以上に劣等感を感じすぎていたことも感じた。ナイトは凄く公平な目で日本人を見ていた。
私も、ナイトの様にスポーツをプレーする気分の仕事を探し続けたい。セールスではなく、NIKEの様に本当に世の中をよくできると信じるものを。
『SHOE DOG内の心に響いた言葉』
「自分の人生もスポーツのようでありたい」
「常にスポーツをプレーする気分を味わう方法はないだろうか」
「それに近い気分を味わえるほど仕事を楽しむ方法はないだろうか」
「パット将軍 物事のやり方を人に教えてはいけない。何をすべきかを教えてやれば、思いがけない結果を出してくれる。」
「シューズの販売はなぜそれらと違ったのだろうか。セールスではなかったからだ。私は走ることを信じていた。みんなが毎日数マイルを走れば、世の中はもっと良くなると思っていたし、このシューズを履けば走りはもっと良くなると思っていた。この私の信念を理解してくれた人たちが、この思いを共有したいと思ったのだ」
「私はかけがえのない知恵が有る。それを生かして次のビジネスを立ち上げて見せる。知恵は無形の財産だが財産には変わりはないし、それさえあればリスクを背負っていける。失敗するならするでもいい。さっさと失敗して、それを教訓として一からやり直す時間や年月が持てればいい」
「キタミには自分の中に築けていないものがある。内なる純資産がないのだ」
「他人の為になんて働きたくない。自分だけの物、これをつくったのは僕だ。と指して言えるものを作りたい。自分の人生を有意義にする方法はそれしかないのだ」
「完全な努力は人々の心をとらえるのだ」
「立ち止まって、時間をどう使いたいのか、これからの40年を誰と過ごしたいのか、じっくり考えてもらいたい。天職を追い求めてほしい、天職とはどういうものかわからずとも」