2021/5/24読了。
SINGLE TASKが生産性を上げ、仕事に限らず関わる人との生産性を上げることが出来る。更にsingle task自体が充実感を高める事になる。
その妨げになっているのが“マルチタスク”という幻想。イメージ的にマルチタスクは出来ている気もするし、仕事のスピードを上げていると錯覚している。実際は毎日朝から晩までタスクに追われ、コントロール出来ないストレスに苛まれている。
その為、いかにしてMULTI TASKの環境を排除してsingle taskを行える様に実践していくかを書いている書になります。
第一章では”原則”について。“原則”では、「脳は一つの事しか集中できない」2つのことを同時に行うmulti taskでは、脳内の同じ部位が取り合いをしている状態になっている事を指摘しています。
例外としては、意識的な努力を必要としない「音楽を聴くこと」、「書類の整理」、「食事の支度」などがあります。
無意識下のmulti taskの悪影響としては、気が散っていると状況が変化している中での判断の柔軟性が下がり、「人は目新しい事に注意を向けてしまう」習性があるそうです。
第二章では、「全てを一気にシンプルにする」ことについて書かれています。
先ずは”自分”がいまここにいる事を意識して、“相手(ミーティング相手など集中して聞いて欲しい人)”に集中してもらう。自分や相手の集中力を削ぐ事を意識することが大事になります。single taskをする事により、「強いエネルギー」×「鋭い集中力」で充実感、高い生産性、確実な成果を出す事が出来るゾーンに入ることについて書かれています。
第三章では「脳の集中力の最大化」についてです。
特に即効性のありそうな取組として、「1人でじっくり考える時間を1日の中に作る。」「集中している間に他のアイデアが思いついたら、後で考えられる様に書き留めておく」(=パーキングロット)について書かれています。
第四章ではより細部にわたる実践として、「自分の行動を書き出す」「メールでのラリーを減らす」「空白タイム」を入れるなどの実践方法が書かれています。
第五章では、シングルタスクで相手からの信頼を得る、量ではなく質による信頼獲得について書かれています。特に実践すると面白そうなこととしては主に相手から敬意を感じる事をリスト化する事などが役に立ちそうと感じました。
第六章では没頭する行動に慣れる為、習慣化するためにジムなどでシングルタスクをこなす行為をすることや、最重要行動に最大限の時間を与える事の重要性について書かれています。
第七章ではシングルタスクの取り組みを継続することについて書かれています。
single taskの重要性についてはなんとなく感じていながら、multi taskで仕事ができている事に違和感を感じている自分としては参考になる書でした。
デボラ・ザック著の2017/8/31にダイヤモンド社から出版された書になります。