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書評『不動産格差』の感想 長嶋修著

これから不動産投資をするか迷っている人に対しては、簡潔で背中を押してくれる本だと思います。最近本屋にあふれているサラリーマンに投資を促す著作とは一線を画しており、不動産業界の方向性を断定的に語る切り口で好きでした。

また、不動産購入時の確認点が技術的な側面から非常にわかりやすく書いており、総じて不動産に携わっている者としては良い著書でした。

簡単に内容を紹介すると、2つ、下記の様なことが書かれております。

・不動産選定の物件外の要因

不動産が三極化していく。都心3区(千代田区、港区、中央区)では、不動産価格と株価と価格が連動する。何よりも立地。コンパクトシティを今後せざるを得ない地域が多いため、自分が住む、投資する地区ごとの計画を知るべき。昔は徒歩10分が売れるか売れないかの境目だったが今は7分に代わってきている。都内の中古マンションは今が底値感がある。逆に他の物件は今が売り時という事でした。

自分の周りの業者や投資家を見ていると東京オリンピック前後でピークを迎えると予想して、すでに売りに出す人も多いですが、一概ではなく物件次第だということが改めて理解出来ました。

・不動産選定の物件毎の確認

住宅の寿命には何の根拠もなく、RC構造は100年以上の寿命が実際にはある。実は、1級建築士より2級建築士の方が、住宅に詳しい人が多い。内装工事業者の一式という見積内容には注意。ほかの見積もりより安くても、実は工事が予定して物が入っていないケースがある。申込と契約は別物※実務をしていると良くお客さんから質問を頂くが、曖昧にする業者も多い。申込みは断れるものである。物件を売るときに、物件価値を上げるためのホームステージングという手法。家具をレンタルしたりすることにより、物件を良く見せる手法。アメリカでは主流との事。

特に驚いたのは、瑕疵担保保険に入っている中古マンションは安心と思っていたが、実は保険期間中には瑕疵が起きないという前提での保険の審査という内容は、衝撃的でした。また、登記簿上の面積が実は正確ではない。いい加減な場合もある。その為、面積で売買契約をするのではなく、㎡単位で契約をするべき。

不動産業界に身を置いている人間としては、非常に勉強になりました。一読の価値あります。

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