村上龍の小説 「半島を出よ」を大学生の時から何回も繰り返し読んでいる。この本を読んで欲しい人は、自分の感覚は世間と違うのではないか。周りが強制してくる楽しさが嫌だ(私は大勢の騒ぐ飲み会が楽しいと思えない)と感じている人だ。価値観が変わる本だと思う。少なくても私は読んでから10年経つがあの時読んで良かったと思っている。

理由は、今まで苦しいと思っていた価値観が肯定する事が出来る表現があったからだ。

ストーリーは、朝鮮半島の代理戦争を日本に移すために来た北朝鮮の占領軍を、日本の世間一般からすると‘おかしい’と思われる犯罪を過去に犯した人達が倒すという物語だ。しかし、上下巻を読んでいるとその人達に身近な感じと愛着が湧いてくる。しかしどんどん死んでいく。そんな中で

「マジョリティーになるなら死んだほうがマシだ」

「楽しそうとは騒ぐことではなく、大事な人と一緒の時間を静かに過ごすこと」

「それはお前の自由だ」

など、切り出すと重みが描けるが読んでいると、より強い言葉に感じる。

自分の中で、周囲から強要される価値観に違和感を感じていることや、自分の中の違和感を諦めずに闘ってきたことが、自分1人ではなく少なくとも小説の中には仲間を見つけることができた。自由になれる本だと思う。

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