raw beef meat on white background

鹿の部位

背ロース

最も高価な部位で牛肉でいうサーロインにあたります。1頭からとれる量もあまり多くなく、希少な部位です。この前は60kgくらいの雄鹿から取れたのは1.2kgの背ロースでした。適度な脂肪分により柔らかな肉質をしているので、ステーキやロースト、ポワレなどさまざまな料理に使うことのできる部位です。薄めにスライスするしゃぶしゃぶでも肉質を楽しむことができます。弱火でじっくり火を通すとしっとりと仕上がります。

外モモ

筋肉繊維の集まった硬い肉質で粗いため用途が限られてしまいますが、筋繊維に対して垂直にスライスすれば炒め物や唐揚げなどさまざまな料理に使えます。

鹿内モモ

筋繊維の細さにより柔らかく、どんな料理にも使いやすい部位です。おすすめの調理法としてはステーキや生姜焼きなど薄くスライスしても塊のままでも使いやすいです。

鹿シンタマ

内モモと外モモの間にあるシンタマは、モモ肉の中でも最も柔らかな部位で脂分がない赤身の美味しさをしっかりと味わうことができます。
何本もスジが入っていますが、それを取り除いてしまえば料理に使いやすい部位になります。

調理する時の温度

食肉による食中毒防止のための加熱条件として、中心部を 75℃で 1 分間加熱することが
必要とされていますが、この「75℃、1 分」と同等な加熱殺菌の条件として、「70℃、3 分」、
「69℃、4 分」、「68℃、5 分」、「67℃、8 分」、「66℃、11 分」、「65℃、15 分」が妥当と考
えられます。
また、調理の現場においては、中心温度計の適切な使用により、食肉の中心部の温度が目標とする温度を下回らないことを確認し、確実な加熱殺菌が行われるようにする必要があります。

鹿肉と他の肉の栄養成分の比較

(100gあたり)

 エネルギー(kcal)たんぱく質(g)脂質
(g)
鉄分
(mg)
ビタミンB1(mg)ビタミンB2(mg)ビタミンB6(mg)ビタミンB12(μg)
シカ肉 119 23.9 4.0 3.9 0.20 0.35 0.60 1.3
牛肉 294 17.1 25.8 2.0 0.07 0.17 0.35 1.4
イノシシ肉 244 18.8 19.8 2.5 0.24 0.29 0.35 1.7
豚肉 237 17.1 19.2 0.6 0.63 0.23 0.28 0.5
参照:出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 

肉100gで比較をした際に、エネルギーが豚肉の半分ほどでありながら鉄分やビタミンB2,B6が非常に高く含まれています。

ビタミンB2

1日の摂取推奨量:30歳〜49歳 男性 1.6mg / 女性 1.2mg

男性では約450gが必要な量になってきます。

ビタミンB2は水溶性のビタミンで、糖質、脂質、タンパク質の代謝、に関わる酸化還元酵素の補酵素として働きます。
ビタミンB1が糖質の代謝に関わるのに対して、ビタミンB2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。「発育のビタミン」ともいわれ発育促進に欠かせない栄養素です。

ビタミンB6

1日の摂取推奨量:30歳〜49歳 男性 1.4mg / 女性 1.1mg

と書いていますので、230gで1日分に必要な量を摂取できることになります。

エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンです。特にタンパク質の分解を助けるため、摂取量が多い人ほど、ビタミンB6の必要量も多くなります。
免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進にも必要で、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素です。また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果を発揮します。

鉄分

1日の摂取推奨量:30歳〜49歳 男性 7.5mg 女性 6.5mg

と書いていますので、約200gで1日分に必要な量を摂取できることになります。

鉄は赤血球の材料になり、全身に酸素を運ぶ役割を担うミネラルで、不足することで貧血を発症します。
体内には3~4gの鉄が存在し、このうちの70~75%は機能鉄と呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きがあります。残りの25~30%は貯蔵鉄として肝臓、脾臓、骨髄などに蓄えられ機能鉄が不足した際に使われます。

ビタミンB12

1日の摂取推奨量:30歳~49歳 男性・女性ともに 2.4μg

ビタミンB12は補酵素(酵素をサポートする成分)として、アミノ酸代謝、核酸代謝、葉酸の代謝に関わっています。さらに正常な赤血球の産生、脳神経および血液細胞など、多数の体内組織の機能や発達を正常に維持するために必要な栄養素です。赤血球と同じ赤色をしていて、赤血球の形成を助ける栄養素として栄養機能食表示ができるビタミンです。

参照:https://www.otsuka.co.jp/college/nutrients/vitamin-b2.html

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